以前、高校数学の参考書についての記事を書きましたが、今回は問題集について書いていきたいと思います。
問題集は参考書に比べればシンプルなレイアウトで、時々例題を挟むことはありますが、基本的には問題が羅列されているだけなのですが、実力に応じてそのレベルに合った問題集を選んでこなしていくことが重要になっていきます。また、参考書の中には問題集と同じくらいの演習問題を収録しているものもあるため、参考書だけで十分という場合もあります。
①教科書傍用問題集
これは学校で採用される問題集であることが多いです。いわゆる検定教科書を出版している会社が、自社の教科書とセットで学習することで効率良く演習できるように作られた参考書です。そのため、収録されている問題は、計算の練習問題や、教科書の例題~章末問題レベルであり、学校の定期テスト勉強や、計算トレーニングが主な使用目的の問題集です。
国公立大学や中堅以上の私立大学受験で数学が必要であればこれだけでは不十分になることも多いです。
数研出版のものについては4STEPやサクシードなどは一般の書店でも置かれているものもありますが、基本的には学校で配布されるものです。
②市販の基本問題集
①の教科書傍用問題集とほぼ内容は変わりませんが、検定教科書の出版社以外の会社の出版社などがだしている問題集で、計算練習や教科書レベルの問題のを中心に集めたもので、用途も変わりません。
有名どころでは文英堂のΣベストシリーズの「シグマ基本問題集」などです。
③入試問題集
大学受験に必要な典型問題を収録した問題集です。オリジナル問題も含まれていることはありますが、大抵は実際の入試問題から問題を収録しているものが多いです。
レベルについては、著者や会社がある程度の受験生のレベルを想定して、そのレベルの受験生が問題を解き、典型問題の記憶やその解法、必要知識を固めることで、本番に対応する力をつけさせることを目的としています。
そのため、自身のレベルと極端に離れた問題集を選んでしまうと全く歯が立たず、得られるものも少ないという事態にもなりかねません。①や②の問題集に比べると、著者のこだわりが出やすいため、そういった部分にも注意して、自分のレベルや、必要な対策に合ったものを選びましょう。
また、一部の受験問題集の中には、受験生向けではなく、学校の先生や塾・予備校の先生が授業用の問題をストックしたり、最新の入試問題の情報収集をすることに向いている問題集もあるので、これはよほど数学だけしかやることがない受験生(ほぼありえない)以外は手を出すものではないと個人的には思っています。
大きく分けると「①と②」と③なのですが、とくに③は自分のレベルや志望校に合わせたものを慎重に選ぶ必要があります。
また、数研出版の白チャートのように、それだけで教科書傍用問題集に収録されている問題と同じボリュームの参考書もあり、教科書傍用問題集については絶対に必要というわけでもありません。
教科書傍用問題集や基本問題集については
・覚えた定義や公式、基本問題の解法が身についているかの確認
・基本計算のトレーニング
入試問題集については
・教科書レベルから受験問題レベルへのステップアップ
・典型的な入試問題の、解法を含めた知識固め
・応用問題への耐性をつける
といった用途でそれぞれ使用するのが一般的です。
入試問題集については、レビューも今後いくつかしていこうと思っています。