2年に1人くらいの割合で、生徒や学生のバイトの子の中に
「将来は僕も予備校講師になりたいです!」
という人がいます。
職業の選択は自由なので、最終的にはお好きにどうぞなのですが、正直あまり勧められません(笑)
同じように考える先生は多く、よく言われるのは
「先生って言われてるけど、社員講師とかでない限りアルバイトと変わらない安定しない非常勤だから。」
「組織に属さず、生徒や保護者からは「先生」と呼ばれ、ちやほやされるうちに非常識になりやすい。」
「思っているほど今は時給は高くないし、複数の塾や予備校に採用されて仕事を埋めていかないと生活できない。」
などです。
私もこれらの上記の意見にはおおむね同意で、わたしが受験生だった20年近く前ですら、一部の売れっ子講師は除いて、「予備校講師はバブリーな仕事」というものではなくなっていました。
少子化や不況、就職氷河期といった色々な要因で、生徒数は減り、経営もどんどん悪化、縮小していく塾や予備校が増えていきました。
そのため、大学院生のアルバイトや大学の非常勤講師をやる傍らの副業といった形でならそこそこの実入りの良い収入源となるかもしれませんが、予備校講師を生業として生きていくというのは、容易なことではないのです。
このように言うと、予備校講師を生業として生活できている私はさぞ、予備校講師に必要なスキルをもち、重用されるだけの実力を持っているんだろうなと思われるかもしれませんが、世間一般に思われているものと異なる、「予備校講師として生き残るための力」は身に着けていると思います。
私は干支一周以上は予備校講師として生計を立てて生きているわけですが、今のところ何とか生き残ってこれた理由は
・他予備校の知り合いを増やし、受験情報や他予備校の情報について調べるようにしている
・教材をレベルなどに分けて複数種類、自分で作りストックしアップデートを行っている。
・医系や看護、体育系、高校の学内予備校などの指導もしている。
・時間的、技量的にあきらかに無理でなく、報酬も問題ないなら、未体験の授業の依頼は基本的に受けてみる。
・集団指導、個別指導、オンライン授業の各形式の仕事を、できるだけ偏らないように(どの経験値も適度に積めるように)こなすようにしている。
・年末に塾や予備校の求人サイトに目を通す。
・毎年解答速報などを通して最新の入試問題に触れ、自分の実力も鈍らないようにする。
など、他にもいろいろあるのですが、生き残るために政治的なことも含めたさまざまな対策や訓練、研鑽をしているつもりです。(よくできているかは別問題)
世の中には、才能的な意味で予備校講師が天職といえる、業界の方からつかんで離さない先生もおられますが、私はあくまでも「仕事として予備校講師ができる」程度なので、自分からしがみつかなければすぐに振り落とされてしまいます(笑)
なので、日々気を張って、自分の身の振り方も考えて生きています。
こういったことを考えて、行動をしなければ、多くの予備校講師は長く続けていくことは難しい、そういう世界なのです。
ここまで聞いて、
「面白れぇ!そんな世界に飛び込んで生き残ってみたい!」
と思った方は、予備校講師も職業の選択肢にしてもいいのではないかと思います(笑)